不動産鑑定評価制度に関するアンケート調査
もうすでに締め切り過ぎていますが、会計士協会のHPに、「不動産鑑定評価制度に関するアンケート調査のご協力のお願い」が掲載されていました
(国土交通省)不動産鑑定評価制度に関するアンケート調査ご協力のお願い(会員限定) | 日本公認会計士協会
調べたところ、不動産鑑定評価制度懇談会関連でのアンケートのようです
国交省が行なっているアンケート調査の協力依頼です。他の士業団体にも同様のお願いをしているものと思われます
回答方法なんですが、添付のExcelに記入のうえ、送付するというなんとも手間のかかるやり方です。回答率が心配です
webのリンク先で回答する形式の方がよかったんじゃないでしょうか。お役所だとサイトの構築にも時間がかかってしまうのかもしれませんね
不動産鑑定士と国会議員
政治家、特に国会議員は国民の代表であることから、多種多様なキャリアを持つ人達で構成されています
もちろん、有資格者の国会議員もいます。弁護士であれば行列の丸山和也氏(参議院)なんかが有名なところです
他にも古川俊治氏(参議院)は、医師と弁護士とMBAを持っています。そこまでのキャリアがあれば、わざわざ国会議員になる必要もないのかなと思いますが、高い志のある方なんでしょう
毎日新聞の国会議員名鑑で調べたところ、現職の国会議員はいないようでした
不動産鑑定士全体の人数がそこまで多くないのですが、1人くらいは国会議員になってほしいものですね
不動産鑑定士の地域分布
連合会のページに地域別の会員数が記載されていました
まあ当たり前ですが、東京地域の人数が突出してますね
では、他の資格(弁護士、会計士)と比較した場合はどうでしょうか
今回は、関東・東海・近畿の3大都市圏ごとに、全資格者に占める各地域の人数割合をランキング形式で比較しました
【関東】
- 会計士:67.9%
- 弁護士:55.3%
- 鑑定士:53.0%
【東海】
- 鑑定士:8.1%
- 会計士:6.8%
- 弁護士:5.9%
【近畿】
- 弁護士:17.0%
- 鑑定士:16.21%
- 会計士:16.18%
こうしてみると、会計士の関東偏重が特徴的です
これは会計士の場合は、監査対象となるようなそこそこ大きめの会社がクライアントになるので、どうしても都市圏に偏りがちで、実際地方にはあまり仕事がないのが現状です
一方で、不動産鑑定士は、東海でやや高いものの、弁護士とおおむね同じような傾向です
弁護士が必要になる訴訟やトラブルと、
鑑定士が必要になる不動産は、
日本全国まんべんなく存在するためでしょうか
地方でのんびりやるなら鑑定士か弁護士ですね
参考リンク
- 弁護士会別会員数
日本弁護士連合会│Japan Federation of Bar Associations:基礎的な統計情報(弁護士白書2015年版等から抜粋)
- 会員数(会計士)
合格後のキャリア -上場企業、上場REITの役員
私がクライアントの社長と雑談していた時のことです。引退間近の社長からこんなことを言われました
「●●さんさ、会計士の資格持ってるなら、不動産鑑定士も取っちゃいなよ。それでREITの役員にでもなりゃ人生安泰だよ」
その時は笑って流しましたが、本当に取るだけでREITの役員になれたら儲けものだなという不純な動機で、不動産鑑定士を目指したわけです
では、本当に資格を取っただけで役員になれるのでしょうか
今回、データベースサイトのSPEEDA(経営企画に必須の情報収集・分析ツール|SPEEDA)を使用して、不動産鑑定士の役員就任状況を調べてみました
検索結果ですが、全体で24社でした
内訳は下記の通りです
- 上場企業
- 協立電機株式会社(6874)
- 株式会社パシフィックネット(3021)
- 株式会社三共(6417)
- 株式会社宮入バルブ製作所(6495)
- 日本ハム株式会社(2282)
- ウェルス・マネジメント株式会社(3772)
- 株式会社ツムラ(4540)
- 株式会社アスモ(2654)
- マーチャント・バンカーズ株式会社(3121)
- 株式会社メニコン(7780)
- オリンパス株式会社(7733)
- サンフロンティア不動産株式会社(8934)
- 三重交通グループホールディングス株式会社(3232)
- 株式会社オークワ(8217)
- 井関農機株式会社(6310)
- 日本土地建物株式会社(9043095)
- ロングライフホールディング株式会社(4355)
- 株式会社サンワカンパニー(3187)
- 上場REIT
- 日本アコモデーションファンド投資法人
- ジャパン・シニアリビング投資法人
- オリックス不動産投資法人
- 日本ビルファンド投資法人
- ケネディクス・オフィス投資法人
- グローバル・ワン不動産投資法人
全上場企業が3,528社、上場REITが57法人であることを考慮すると、REITの方が役員に就任しやすいことは確かですが、思ってたよりも全然少ないですね。。
件数だけで見ると、上場企業の方が多いですが、それでも割合は0.5%とほとんど期待できません
不動産鑑定士だから役員になれた、のではなく、役員になった人がたまたま不動産鑑定士だった、というのが実態のようです
資格だけでは、人生安泰とはいかないですね。地道に頑張るしかないです
高校生向け紹介記事
【シゴトを知ろう】不動産鑑定士 ~番外編~|マイナビ進学U17
不動産鑑定士の仕事内容や、やりがいなどが分かりやすくまとめられています。高校生向けの記事ですがおすすめです
【シゴトを知ろう】米国不動産鑑定士 ~番外編~|マイナビ進学U17
米国不動産鑑定士もありました。日本と外国の違いについても言及されています
不動産鑑定士試験における免除科目
不動産鑑定士試験には一部の論文式試験において免除科目があります
会計士の場合、会計学および合格した試験において受験した科目(民法または経済学)が免除となります
会計士試験における民法や経済学は選択科目となっており、残念ながら当時の私はそのどちらも選ばず、経営学を選択してました。経営学が得意だからとかではなく、みんな選んでたからっていう理由です。実際、会計士試験における選択科目の経営学の割合は80%となってます
10年近く前の自分の選択が、こんなところに影響するとは思いませんでした。あの頃の自分に喝入れたいです
1科目浮くことは、勉強時間だけじゃなく、予備校代にもかかってくるので、これからは会計士受験生には民法か経済学をオススメしていきたいと思います